縋っている人、しがみつく人。
それを「必死だな~」と端から見ている人。
自らは何もせず、人を評価するような人にはなりたくないと思う。
そこで「しがみつく」とは本来、どういう意味なのか。
しがみつくの意味と由来について深掘りたい。
しがみつくの意味
「しがみつく」には以下の2つの意味がある。
①しっかりと取りつく。力をこめてすがりつく。
②ある物事から離れまいとする。また、手に入れた地位などを放すまいとする。
引用:コトバンク
ここからも分かるように、現代では「固執する」や「すがりつく」といったネガティブなニュアンスで多く使われている言葉。
だが、その言葉の語源を辿ってみると決してネガティブな使われ方をされてきた言葉ではないことが分かった。
獅子舞-ししまい-
「しがみつく」のルーツを辿ると、獅子舞に由来した。
獅子舞はお正月やお祭りなどのおめでたい日に獅子に扮して舞う民族芸能。
その儀式のひとつで獅子舞は人の頭に噛み付くのだが、これが「しがみつく」と繋がっていた。
「噛み付く」を「神付く」と書き換え、獅子に噛みつかれた人には神が付くと考えられていたそう。
それに由来して、「獅子が嚙みつくと神が付く」という言葉もあるんだとか。。
それでいうと、「しがみつく」は「獅噛み付く」になり、「神が付く」と読める。
ここから、今のネガティブニュアンスになった過程は不明だが、その語源を辿ってみるとむしろ縁起のいい言葉だったことが分かる。
しがみついていく
ということで「しがみつく」のルーツを綴らせてもらった。
現代で言う“しがみついている人”はその必死感からダサく見られがちだが、それでもいいと私は思う。
“これだ”というものが見つかった人は獅子が噛みつくような強さでしがみついて、時に必死に生きてもいいんじゃないだろうか。
わたしたちに残された時間は決して多くないからこそ、しがみついて生きていこうじゃないか、とここで呼び掛けさせてもらいたい。